作品概要
《海のような変化》は、画家のジャクソン・ポロックによって制作された作品。制作年は1947年から1947年で、シアトル美術館に所蔵されている。

《海のような変化》は、画家ジャクソン・ポロックにより1947年に制作された。
アクション・ペインティング
ポロックは1947年から「アクション・ペインティング」を本格的に展開した。「アクション・ペインティング」は、抽象的表現と形態の融合より創出された独自の技法である。
「ポーリング」(塗料を注ぎ掛けながら線を描く技法)、「ドリッピング」(塗料を撒き散らして滴らせる技法)、「スプラッタリング」(塗料を粒状に飛び散らす技法)により、作品を描いた。作品は、二段階に分かれて制作された。
まず、ポロックはイーゼルにキャンバスを立て、絵筆にて複雑に入り組んだ線にて下層を描いている。その後、下層の上から黒色の外壁用塗料にて下書き線を引き、アルミニウムペイントや黒色の外壁用塗料を撒き散らし、粒状に飛び散らしている。上層の塗料が乾く前に、小石や砂利が振りかけられている。
また、作品名である「海のような変化」という言葉は、ウィリアム・シェイクスピア作のロマンス劇「テンペスト」に由来する。
ポロックとシェイクスピア
「テンペスト」には、死と父親の変貌について書かれている。「海のような変化」はシェイクスピアの造語であり、海が潮汐を繰り返して潮の流れが変わり、地形まで変貌させていく姿を表現している。
シェイクスピアを引用することは、ポロックにとって適しているように思われる。シェイクスピアは近代英語に、ポロックは現代美術に大きな影響を与えている。シェイクスピアは初期近代英語に文法体系を創り出し、恋愛概念に関する慣用表現や造語を多く生み出した。一方、ポロックはピカソの分析的キュビズムを変化させ、新たに独自の世界観を作り上げた。
現在、《海のような変化》はシアトル美術館(アメリカ・ワシントン州)にて展示されている。
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