作品概要

記号の女 Ⅲ》は、画家のウィレム・デ・クーニングによって描かれた作品。制作年は1969年で、池田20世紀美術館に所蔵されている。

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《記号の女Ⅲ》はウィレム・デ・クーニングにより1969年に制作した作品である。

女性像の表現

デ・クーニングの驚くほどの奔放な感性と筆致によって、作品にエネルギーが与えられているのではあるが、この「奔放さ」は彼自身の、あるいは作品自体の女性像の内面を濃厚に表現して抽象をかたどっている。それはまるで感情が暴発したか、あるいは凶器が絞り出されたかのようにも感じられる。

赤、白、ピンク、肌色、黄色、グレーといった様々な色彩によって彩られた本作品は、それ自身の色合いそのものを感じ、楽しむのもいいが、それらの色の中でも、白は欧米系の女性特有の肌の白さ、ピンクはその肌が熱を帯びてピンクに染まる様子、赤は女性の肌の下に通う血潮のように、中小の中から具象を読み取っていく作業も興味深いものである。

女性との接触を参考に、今まさにデ・クーニングによってベッドの上でゆがめられ、体温を上昇させていく女性、そんな風に情景を追いかけていくことも可能である。絵の中のエロチシズムと、絵の中から生きて呼吸している女性を再構築していくこともできる。

ターニングポイント

1950年代の作品は、本作品よりもさらに激しく、より暴力的な面もあったが、1960年代の作品の多くは、健康的で突き抜けたような明るさを持っており、性と生を前向きにとらえているような印象である。それゆえ比較的気軽に鑑賞することもでき、デ・クーニングの作品を知っていくうえで入っていきやすい作品とも言える。

デ・クーニングは生涯を通じて女性像を描き続けてきたが、その中には何度かのターニングポイントを含んでいる。彼は1950年代後半までは抽象から一度離れていたが、それ以降は再び抽象の度合いを増していき、1960年代前半になると三度主題を女性像にして作品を制作していく。

抽象的で荒々しい表現から一転して、しかしその大胆なタッチはそのまま存分に活かしたダイナミックさ溢れる明るい作品となる。この作品は、かつての女性像に見られた張り詰めたような激しさは控えめになり、柔らかさが増した。肉体を思い起こさせる赤、ピンク、オレンジといった華やかで明るい色彩が画面を占める様式に重心が変わっていき、溌剌として健康的でありながらも時に軽妙な性格を表現している。

基本情報・編集情報

  • 画家ウィレム・デ・クーニング
  • 作品名記号の女 Ⅲ
  • 制作年不明-1969年
  • 製作国アメリカ
  • 所蔵池田20世紀美術館 (日本)
  • 種類油彩・カンヴァスに貼られた紙。
  • 高さ105.5cm
  • 横幅95cm
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