作品概要

セクション10》は、画家のウィレム・デ・クーニングによって描かれた作品。制作年は1964年から1964年で、大原美術館に所蔵されている。

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図像解説

ウィレム・デ・クーニングの作品は、じっと見ていると、画面の中に人の顔らしきものが潜んでいるような作品が多く見受けられる。それは、彼の作品に具象的な要素が含まれたことによるものである。

人物像の中でも特に女性像が多く、大原美術館に所蔵されている本作品《セクション10》も、女性をモチーフに描いたものである。よく見ると、柔らかい質感の衣装をまとった女性のようなイメージが浮かび上がってくる。

抽象云々というよりもむしろ、ラウル・デュフィに似た色彩美にデフォルメを大胆に施した画風とも言うことができる。

暖色系の暖かく明るい色彩が特徴的で、一見して美しく見えるが、この大胆で激しいデフォルメには、ウィレム・デ・クーニングの女性に対する激しいイメージが盛り込まれている。

偶然性による描写

ウィレム・デ・クーニングは同時期に活躍したジャクソン・ポロックともよく比較される。二人とも、そのダイナミックな表現に定評がある。それぞれが独自の抽象表現を模索していたが、「何をやろうとしてもピカソが常に先行している」という状況の中、偶然性を用いたドリッピングという技法を見出した。

ドリッピングとは、絵の具を画面に垂らして描く技法を言う。さらにポーリングという線を加える技法を合わせることにより、クーニングたちは完璧なまでに抽象化された絵画を完成させた。ドリッピングは、まさに偶然性による描写という色合いが濃いものと言える。

この大原美術館所蔵の作品も、ウィレム・デ・クーニング独自の技法を駆使した作品と言える。幾重もの色彩が折り重なるように絵の具が画面から盛り上がるほどに垂らされており、その鮮やかな色彩と偶発的な形状が、大胆に浮き上がる印象的な画面を構成する仕上がりとなっている。

基本情報・編集情報

  • 画家ウィレム・デ・クーニング
  • 作品名セクション10
  • 制作年1964年-1964年
  • 製作国アメリカ
  • 所蔵大原美術館 (日本)
  • 種類油彩・カンヴァスに貼られた新聞紙
  • 高さ115cm
  • 横幅76.5cm
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