作品概要

女Ⅰ》は、画家のウィレム・デ・クーニングによって描かれた作品。制作年は1952年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

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《女Ⅰ》は、1952年にウィレム・デ・クーニングによって製作された。デ・クーニングは作品の多くが女性をモチーフにしたものであり、《女Ⅰ》はその先駆けと言える。

“Woman”シリーズ

デ・クーニングは、当初キュビズムを濃厚に反映させた、個性的な抽象絵画を引っ提げて登場した。彼はこの《女Ⅰ》を、1952年に発表し、センセーショナルな旋風を巻き起こした。この作品は現在ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

50年代前半、デ・クーニングは「女」と題された作品を多く生み出し、その中にはかの有名な「マリリン・モンロー」の名を冠した作品も存在する。こうした「女」シリーズを経て、50年代後半にデ・クーニングは再び抽象へと回帰し、大胆な筆致で、多くの風景をイメージの中に収めた作品を生み出した。

通念を覆した先駆者

女性をモチーフとした作品が代表作であるデ・クーニングは、制作の経緯について後に、以下のように述べている。「私はいつも、若い人、美しい女、を念頭に置いて制作し始めるんだが、制作中、それが変化していくことに気がついた。中年の女がいつも浮かんでくるんだ。あんな怪物を作るつもりはなかったんだ」。

それまではエレガントに描かれるのが当然であった女性像を、ともすれば醜く猥雑に描いた作品は、激しく大胆な筆の動きにより描き出されることから、抽象表現主義の作品として注目を集め、ウィレム・デ・クーニングの名を一躍有名にした。

デ・クーニングの主張

そもそも、デ・クーニングは抽象画家のひとりと考えられていた。しかし、1950年に突然、発表したのが具象絵画である《女1》。そのモデルは、鋭く開かれた目、むき出した歯、グラマラスな体、そんな恐ろしい形相をした女性像であったため、この作品は多くの批判にさらされた。

ポロックは具象画に回帰したデ・クーニングを「裏切り者」と呼んで非難した。これに対し、当人は「女性を美しく描くのは欧州の慣例。この作品を完成させたことでやっとアメリカ人になった」と反論したのである。

半抽象画家と呼ばれる所以

デ・クーニングはポロックと同じオートマティズムの手法を用いたとはいえ、努めて意識から解放されたポロックに対し、決して「女」のイメージを手放すことはなかった。

「女」のイメージは制作の入り口であり、出口でもある。その一貫したテーマのもと、デ・クーニングは独自の方法で、表現の源となる意識から解放された世界に身を置くことができたという。

タッチの変遷

作品を生み出すことが生きる術であると断じたデ・クーニングにとって、具象か抽象かという区分けは大した意味を持たず、執着がなかった。それよりも、後々の50年代の「女」シリーズと60年代の「女」シリーズの間の展開にこそ、デ・クーニングの絵画の変遷にとって重要な意義がある。

どちらも大胆な筆致によるものであることには変わりないが、50年代の「女」シリーズは、なおも女性像としての要素を持っていた。具体的に言えば、目や口、あるいはむき出しの歯として表現されるものや、乳房や手足が大胆なタッチで描かれている。彼女たちが「醜悪の使徒」であろうがそうでなかろうが、女性がそこに存在していることは理解できる。

これに対し、やはり大胆なタッチで描かれた60年代の「女」シリーズは、風景の中に溶け込んだかのような存在感である。

基本情報・編集情報

  • 画家ウィレム・デ・クーニング
  • 作品名女Ⅰ
  • 制作年不明-1952年
  • 製作国アメリカ
  • 所蔵ニューヨーク近代美術館 (アメリカ)
  • 種類油彩・カンヴァス
  • 高さ192.8cm
  • 横幅147.3cm
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