作品概要

ザクセン選帝侯フリードリヒ賢公の肖像》は、画家のルーカス・クラナハによって描かれた作品。制作年は1533年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

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この作品はルカス・クラナハ(父)による2枚1組の肖像画のうち左側を占めるパネルである。ここに描かれているのはザクセン選帝侯フリードリヒ3世、通称賢公(在位1486-1525年)である。彼はザクセン選帝侯エルンスト(在位1564-1486年)とその妻エリザベトの第2子で、1486年の父の死後ザクセン選帝侯の位を継いだ。1519年には神聖ローマ皇帝の候補者になるが、辞退して前皇帝の孫であるカール5世の即位を支持するなど、皇帝権力と友好関係を結んでいた。

しかしルターによる宗教改革が起こると皇帝や教皇の決定に反してルターを保護した。ルターはフリードリヒの庇護のもと、彼の所有していたヴァルトブルク城で聖書のドイツ語訳を完成するなど重要な業績を残した。フリードリヒは1525年に死去したが、その際カトリックからルター派に改宗するなど、最後までルターを支持した。一方で彼は文化的造詣も深く、彼のもとには学者や芸術家が集った。その一人がルカス・クラナハであった。

この肖像画は彼の弟で後継者のヨハン(不変公、在位1525-1532年)との二連肖像画である。ここでフリードリヒは明るい青の背景に上半身を現している。白いシャツ、黒い上着、広い毛皮の襟のついたマント、黒いつばのない帽子を身につけていて、その高い地位を現している。カリカチュアすれすれのところまで高められたリアリズムは同時代のイタリア美術における理想日の追求とは対極をなしている。画面下部にはフリードリヒの名前と彼に対する賛辞が印刷された紙が貼り付けられている。

この肖像画はフリードリヒの弟ヨハンの息子でザクセン選帝侯を継承したヨハン・フリードリヒ(在位1532-1547年)がその就任の際に注文した60枚の肖像画シリーズのうちの1枚である。

基本情報・編集情報

  • 画家ルーカス・クラナハ
  • 作品名ザクセン選帝侯フリードリヒ賢公の肖像
  • 制作年不明-1533年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類板、紙、油彩
  • 高さ20.3cm
  • 横幅14.3cm
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