作品概要

私のアグネス》は、画家のアルブレヒト・デューラーによって描かれた作品。制作年は1494?年で、アルベルティーナに所蔵されている。

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1494年5月にデューラーは遍歴の修行を終えて生地ニュルンベルクに帰還した。遍歴修行とはドイツの手工業職人における慣例で、工房で親方について基礎を倣った徒弟が職人に昇格した後、数年の間故郷を離れて各地を渡り歩きながら修行を続けることをいう。

帰国当時彼は23歳で、修行を終えて自分の工房を構える資格があった。同じ名前の父アルブレヒト・デューラーは息子が結婚適齢期であると考え、彼が不在の間に妻を選んでやった。そしてデューラーは帰還したのと同じ年の7月23日に父が選んだアグネス・フライと結婚したのである。

彼女は経験豊かで商売上も成功をおさめていたニュルンベルクの銅細工師ハンス・フライとその妻で貴族の血筋のアンナ・ルンメルの娘であった。デューラーが婚約者を描いたこのスケッチは、彼らが結婚式を挙げるすぐ前に描かれたと思われる。デューラーは彼女の考え深げな様子をわずかな線描だけで捉え、そこに愛を込めて次のように書き込んだ。「Mein Agnes (私のアグネス)」。

アグネスはまだ少女の面影を残していて、子供っぽくさえある。彼女はテーブルの前に座って考え込んだ様子で右手で頭を支えている。その髪は後ろで束ねられている。このような日常的な親密な様子を描いたスケッチはその当時よくあるものではなかった。特にこの素描のように女性が自分の考えに沈んで自分が見られていることに気づいていないところを描いたものは稀である。

デューラーと彼の妻の間には生涯子供がなく、デューラーの死後に彼の友人で有名な人文学者ヴィリバルト・ピルクハイマーは彼女を度々非難したし、デューラー自身ピルクハイマーへの手紙の中で妻を妙なあだ名で呼んだりもした。しかし彼女はデューラーの工房運営の良きパートナーであり続けたし、少なくともこの素描にはデューラーの妻への愛情が見て取れる。

基本情報・編集情報

  • 画家アルブレヒト・デューラー
  • 作品名私のアグネス
  • 制作年不明-1494?年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵アルベルティーナ (オーストリア)
  • 種類紙、ペン、インク
  • 高さ156cm
  • 横幅98cm
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