作品概要

1493年の自画像》は、画家のアルブレヒト・デューラーによって描かれた作品。制作年は1493年で、ルーヴル美術館に所蔵されている。

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デューラーの油彩による最初の自画像は1493年に描かれた。この作品はデューラーの初めての自画像であるだけでなく、西洋絵画の歴史上初めて制作された独立の自画像でもある。それ以前の画家たちは自分の制作した祭壇画やフレスコ画に自分の姿を小さく描き込むことはあっても、一つの作品として自画像を描くことはなかったのである。

裏面に1493年という記入がある自画像の素描は恐らくこの油彩自画像の初期の準備素描である。彼の遍歴修行の終わり頃、おそらくストラスブールでこの絵は描かれた。元々はヴェラム(仔牛の皮で作られる紙状のもの)に描かれていて、持ち運びが容易なその材料から恐らく旅行の途上でニュルンベルクに送られたと考えられる。

「わがことは天の命ずるままに」という上部の銘文は彼の信仰心を示している。彼は黄褐色の髪をしていてその上には赤い房飾りの帽子を被っている。服装は赤いフリンジのついたグレーの上着の下にピンクのリボンがついたプリーツのシャツを合わせている。力強い鼻、ハート型の上唇、長い首といった彼の特徴がここでは強調されている。デューラーはこの自画像を鏡を使って描いたので、手や目の表現には明らかに苦心の跡が見られる。これらの要素は一般的に、肖像画を描く際難しい箇所だ。

彼は手にアザミに似た植物である「エリンギウム」を持っている。このエリンギウムのドイツ語での名前は「男性の貞節」という意味があり、さらに媚薬として使われていたこともあり、彼の婚約者に送られたものと思われる。デューラーが遍歴修行のたびに出ている間に彼の父が同じニュルンベルク生まれのアグネス・フライとの婚約を整えており、その後1494年7月7日にデューラーは彼女と結婚することになる。しかしこの説には確証がなく、単に不在の息子を偲ぶよすがとして両親に送った自画像かもしれない。いずれにしろこの絵は若きデューラーの端正な風貌と開花しつつある才能をよく表している。

基本情報・編集情報

  • 画家アルブレヒト・デューラー
  • 作品名1493年の自画像
  • 制作年不明-1493年
  • 製作国フランス(?)
  • 所蔵ルーヴル美術館 (フランス)
  • 種類亜麻布(ヴェラムから移し替え)、油彩
  • 高さ57cm
  • 横幅45cm
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