作品概要

四人の使徒》は、画家のアルブレヒト・デューラーによって描かれた作品。制作年は1526年で、アルテ・ピナコテークに所蔵されている。

詳細な画像を見る

デューラーによる『四人の使徒』は注文制作ではなく画家自身の意思によって描かれた作品である。彼は1526年10月6日にこの作品を生まれ故郷ニュルンベルクの市参事会に寄付した。イタリアでは市庁舎の一室に良き政治の手本となるような絵を掛けるのが通例となっていて、デューラーもそれに倣ってこの絵を制作したのだろう。

ニュルンベルク市参事会はこの絵の寄付を歓迎し、市庁舎に掲げて100フロリンを返礼として贈った。この絵は1627年までそこにあり、その後バイエルン選帝侯マクシミリアン1世に売却された。その際下部の銘文はニュルンベルクに残されたが、1922年にアルテ・ピナコテークに所蔵されるに当たって絵と銘文は再び一つになった。

この絵は伝統的に『四人の使徒』と呼ばれているが、これは正確ではない。描かれているのは左から福音書記者ヨハネ、聖ペテロ、福音書記者マルコ、聖パウロであるが、そのうちマルコは十二使徒のうちに含まれないからだ。宗教改革が始まりつつあったこの時代において、デューラーはルターの教えに共感し、カトリックの腐敗を憂慮しつつこの絵を制作したと思われる。それは下部の「偽の預言者」や「偽善者」に対する警告を示した『新約聖書』から引用された銘文に現れている。

一方でここに描かれた四人の人物はヨーロッパの伝統的な人間の性質に関する分類法に基づく特徴が現れている。すなわち福音書記者ヨハネは快活だが激しやすい「多血質」、ペテロは感情に乏しいが沈着な「粘液質」、マルコは怒りっぽい「胆汁質」、鬱々としているが天才型の「憂鬱質」と解釈される。これらの四気質は当時の教養人の間で盛んに議論された問題であった。
この絵でデューラーは自らの信仰心を表明しつつ、また自らの教養をも誇示しているのである。

基本情報・編集情報

  • 画家アルブレヒト・デューラー
  • 作品名四人の使徒
  • 制作年不明-1526年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵アルテ・ピナコテーク (ドイツ)
  • 種類板、油彩
  • 高さ204cm
  • 横幅74cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • 四人の使徒の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。