作品概要
《ソリーの聖母》は、画家のラファエロ・サンティによって制作された作品。制作年は1500年から1504年で、絵画館(ベルリン美術館)に所蔵されている。

《ソリーの聖母》(イエスと共に本を読むマリア)はイタリアルネサンス盛期の画家ラファエロの作品で1500年から1504年の間に制作された。
初期の作品ゆえ、師のペルジーノの影響が見うけられる。この作品の二つのモチーフ(聖母と幼子イエス)は後にラファエロの聖母を彷彿させる。この聖母マリアは、ノートンサイモン美術館の「聖母と幼子」、「コネスタビル聖母」(アーミテージ美術館)、「コロナの聖母」(ベルリン美術館)や「Madonna del cardellino」(ウフィツィ美術館)の作品にあるように本を読んでいる。最後の作品同様、小さな鳥コジキヒワが絵の中に描かれている。初期のラファエロが描いた最高の聖母の一つである。
この作品はベルリンのベルリン美術館に収蔵されている。英国の銀行家であり芸術収集家であったエドワード・ソリー氏(1776~1848年)の所有物であったことから、この作品は「ソリーの聖母」と呼ばれている。ソリー氏はベルリン在住でその類を見ない所蔵品の多くがベルリン美術館の所蔵品の核となった。
聖母が持つ書物は伝統的に、旧約聖書外典の「ソロモンの知恵」とされており、幼児キリストが手にする書物は福音書を表していると言われている。この作品では聖母が本を読んでいる本を幼子イエスが頭をもち上げて見ており、コジキヒワをつかんでいる。そしておそらく聖母の本に書かれている受難を予知するかのようだ。聖母の青いマント、幼子の赤いローブは永遠を象徴し、殉教を預言している。
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