作品概要
《猫、ドラゴン、その他の素描》は、画家のレオナルド・ダ・ヴィンチによって制作された作品。制作年は1513年から1518年で、ウィンザー城王立図書館に所蔵されている。

この素描には20匹以上の猫やライオンが様々な姿勢で描かれている。眠っているもの、座っているもの、うろうろ歩いているもの、遊んでいるもの、争っているもの、そして毛を逆立てておびえているものなどである。また、下半分には奇妙な角度でドラゴンの素描も描かれている。この素描はレオナルドの手になるもののうちでも最も魅力あふれる作品のひとつであり、彼の幅広い描き方のあらゆる側面が表れている。すなわち極度に「レオナルド的」に様式化されたとぐろを巻いたドラゴンから、ありのままに観察された飼い猫の様子までである。
中央右寄りの眠る猫は最も詳細に描写されていて、実際の猫から直接スケッチしたように思われる。この猫が静止というテーマをもつのに対し、争っている猫はつかの間の出来事というテーマの視覚化のようである。そこここで行われる喧嘩に参加する猫たちの多くは、どの足がどの猫のものかわからないほどだ。これらの猫たちに囲まれて7頭のライオンが一匹ずつ描かれていて、その多くはうずくまったり歩き回ったりしている。
その当時ライオンはイタリアでもよく知られていた。例えばフィレンツェではシニョーリア宮殿の裏で檻に入れられて飼われていた。フィレンツェの象徴はライオンだったからだ。ライオンは解剖学的にも正確に描かれている。この紙にレオナルドが書き込んだメモや他のライオンに関するメモを見ると、この素描におけるレオナルドの関心がネコ科全体の様々な姿勢や動きの総体にあることは明らかだ。
そしてドラゴンは、その延長線上にあって画家の想像力を更に推し進めたものと理解できるだろう。このような動物の研究の集大成としてレオナルドは学術書の出版を計画していたようだが、これは実現されずに終わった。
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