作品概要
《サンタ・マリア・デラ・ネーヴェの風景素描》は、画家のレオナルド・ダ・ヴィンチによって制作された作品。制作年は1473年から1473年で、ウフィッツィ美術館に所蔵されている。

この作品は1473年に描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチによる現存する最も初期の素描であり、現在はフィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されている。細部に至るまで描かれた風景の中にアルノ川の 溪谷とモンテルーポの城が見える。
これらはレオナルドの小さい頃の遊び場であって、彼は好んでこれらの丘を長い時間ぶらぶら歩いていた。その頃彼はまだ自分の父親の家族とともに暮らしていた。継母、父方の祖父、そして彼の最初の遊び相手であったおじのフランチェスコらだ。
小さな頃からレオナルドは物事への強い関心を見せていた。彼は小動物から花まで、また葉っぱから奇妙な形をした木片までなんでもコレクションした。レオナルドより前の時代においては人間の姿がない、あるいは象徴的な意味が込められていない風景の素描というものは考えられないものだった。
ルーベンスが史上初めて油彩画での純粋な風景画を描くのはレオナルドからさらに200年後のことである。レオナルドの流れるような岩や川、草木の筆致は時代を先取りしている。地形の輪郭線は大地の堅固さを示している。密に施された水平線は水面の反射光を効果的に表している。これらの線の扱いはレオナルドが遠近法の理論上遠くの風景を描くときは線をより薄くすれば良いことを理解していたことを意味している。
一方で近くの岩山は何本ものハッチングで堅固に造形されている。線が集中している地点、たとえば城壁や川の上の小舟に視線が誘導され、そこに質感や動きを感じることができる。
ところで詳細に観察すると、最初に描かれた線の上に後から書き足していることがわかる。例えば城は地面からまっすぐに立っておらず風景全体とうまく調和していない。画面中央右寄りの滝も加筆されたもののようだ。
絵うま!
2018年7月24日 9:07 pm, ID 13281