作品概要
《接吻》は、画家のエドヴァルド・ムンクによって制作された作品。制作年は1897年から1897年で、ムンク美術館に所蔵されている。

《接吻》は、1897年に制作された。《叫び》をはじめとする主に1890年代に制作された作品は「生命のフリーズ」と称され、作品の主題は「愛」と「死」、愛と死がもたらす「不安」である。
「生命のフリーズ」は、オースゴールストラン(ノルウェー)の曲線を描く海岸線や特徴的な風景にインスパイアされたといわれる。本作品では、男女の親密な関係が描かれている。窓からは僅かな日の光が差し込むが、部屋は薄暗い。男女は薄暗い部屋の中で固く抱き合っている。女性は男性の首に手をまわして引き寄せ、情熱的なキスをしている。
ムンクの恋愛経験
ムンクは、1888年から1889年に掛けての恋愛経験に基づき、作品を制作したといわれる。合わせて、作品の主題は「ファム・ファタール」である。ファム・ファタールは、男性の「運命の女性」(運命的な恋愛相手、赤い糸で結ばれた相手)であると共に「魔性の女」(男性を破綻させる悪女)とされる。
作品を通して、ムンクは、女性が恋愛において自信の欲望を満たす為に男性を支配する存在であることを表現している。
また、数年掛けて、同作品名の油彩と木版画を計4点制作している。「接吻 I」「接吻II」は1897年作、「接吻III」は1898年作、「接吻IV」は1902年作の作品となる。ムンクは多様な技術を駆使して、微妙な差異をもたせて各作品の背景を描いている。現在、「接吻」はムンク美術館(ノルウェー・オスロ)にて展示されている。
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