作品概要
《ダンスⅠ》は、画家のアンリ・マティスによって制作された作品。制作年は1910年から1910年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

『ダンス』はアンリ・マティスによって制作された油彩作品で、1909年の『ダンス(Ⅰ)』と1910年『ダンス(Ⅱ)』の2作品が一般的によく知られている。
現在ニューヨーク近代美術館(MoMA)所蔵の『ダンス(Ⅰ)』は、大きさは259.7cm×390.1cm。1909年3月にマティスは『ダンス(Ⅰ)』の習作を制作した。
作品の所有者
『ダンス(Ⅰ)』はマティスの息子が運営する、ピエール・マティス画廊経由でニューヨークに渡り、その後様々な人の手に移りながら、MoMA初代館長のアルフレッド・バー・ジュニアに敬意を表し、1963年ニューヨーク州知事およびアメリカ合衆国第41代副大統領ネルソン・ロックフェラーからMoMAに寄贈された。
構図
ダンスする人物たちの構図は、1905年から1906年にかけて制作された『生きる喜び』からモチーフを得ているが、本作品では踊り手を一人減らして描いている。『ダンス』のモチーフは、その後ニューヨークメトロポリタン美術館所蔵『ナスタチウムとダンス(1912)』の背景にも再び描かれることとなる。
明るい青と緑の背景で踊る人物の表現は歓喜に溢れ、初期のフォーヴ作品を彷彿とさせる。弛緩し不定形な人物はマネキン人形のようで自らを支えきれない。人物の表情は曖昧で、スケッチ画のような構成になっている。
本作品で画家は、錯覚を利用した絵画の奥行き表現を重要視すべきか、あるいは画面は平面だと容認すべきだという近代絵画における論争にひとつの結論を見出すための空間的な曖昧さを表面上簡潔に表現した作品である。
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