作品概要
《鎧の男(アレクサンダー大王)》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって制作された作品。制作年は1655年から1655年で、ケルヴィングローヴ・アートギャラリー美術館に所蔵されている。

「鎧の男」と題されたこの作品は、古代の王アレクサンダー大王を描いているという推測がある。当時イタリア王からの依頼に応じて描いたアレクサンダー大王の絵があったが、火災で焼失されてしまったとされている。しかし「鎧の男」がその作品に似ていると専門家の間で指摘がなされ、これもアレクサンダー大王を描いたものだという推定がされている。
1655年に描かれ、現在はイングランドのグラスゴー美術館に保管され、オランダ美術・フラマン美術を代表する古典美術としてコレクションの中に収められている。神妙な顔つきをした若い男が重厚な鎧に身を包み、剣と盾を手に持っている。黄金の兜と胸当てに赤いマントのコントラストが見事な彩色である。
注目すべき点は、この絵が描かれた時代ではここに見られる鎧と武器はかなり廃れてしまっていたという事実だ。この事から、過去を描いた作品である事が分かる。古代を彷彿とさせる鉄兜は画家自身が想像によって創作したものであり、後ろの首当ては現代的な騎兵隊用兜で、古代スタイルの兜と混じっている。剣をじっと見つめる姿は戦いへ行くことを決意しているように見える。古代世界で無敗を誇ったかつての英雄の姿が蘇るようで、偉大な王の若き姿がそこにある。
本作品は1877年にジョン・グラハム・ジルベールという画家によって所有されていた70作品の1作品としてグラスゴー市に遺譲され、現コレクションに陳列された。
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