作品概要
《聖母マリアの戴冠式》は、画家のディエゴ・ベラスケスによって制作された作品。制作年は1641年から1644年で、プラド美術館に所蔵されている。

「聖母マリアの戴冠式」はスペインの画家ディエゴ・ベラスケスによって描かれた。現在はスペインのプラド美術館に保管されている。彼の描く肖像画として、マリアを描くのはとても稀なことである。そして他のバロック時代の画家達とは違って、自然体でシンプルな空気感が漂っている。
構成としては反転した三角形が基本になっている。心の温かさを彷彿させる色使いと形とライン。そして素晴らしく均衡のとれた感覚が表現されている。メインはもちろん聖母マリアである。慎み深く礼儀正しく感情的彼女は、まっすぐ伸びた鼻と口角の上がった口元に視線を送っている。逆三角形は中心(マリア)への注目を引き起こす、そして見物者はマリア自身の心によって信心深さを呼び起こすのであった。
閲覧者から右手に見える威厳のある男が、父なる神で、左手にいる長髪の男はキリストである。彼らは共にマリアの頭上で冠を支えている。精霊の中心に白い鳩が象徴として描かれている。二人の男の頭と鳩の高さは同じ逆三角形の位置にあるが、それは精霊と彼らが平等であることを描く為であった。
注目すべき点として、マリアの周りに描かれた天使達は、ムリーリョの描く天使達と同等の質感である。ベラスケスは青とバイオレットを使用しており、伝統的な赤色を使用する代わりにベネチアンの深紅も用いたが、それは師匠であるパチェコの指示によるものであった。
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