作品概要
《ジュンカリコ城の降伏》は、画家のドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャによって制作された作品。制作年は1314年から1314年で、プーブリコ宮に所蔵されている。

『ジュンカリコ城の降伏』は、中世後期のイタリア人画家ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャが1314年頃に描いたフレスコ画で、彼の晩年の作品のうちの一つである。ドゥッチョは世界的にゴシック様式を確立した画家の一人と言われており、シモーネ・マルティーニ、アンブロージョ・ロレンツェッティとピエトロ・ロレンツェッティ(ロレンツェッティ兄弟)など、多くの著名な画家に影響を与えた。
本作も、ゴシック様式にのっとって描かれた作品であり、現在はシエナ・プーブリコ宮内(シエナ市庁舎)の、「世界地図の間」に展示されている。 本作の中でドゥッチョは、緑の衣服を着た男が、シエナの将官にまさに今剣を渡そうとしているシーンを描いている。背景には緑の男のものと思われる城と、ごつごつとした岩山の頂上の様子が見てとれる。
この作品は、彼の弟子であったシモーネ・マルティーニに大きな影響を与えたとされ、彼の作品である『グイドリッチョ・ダ・フォリアーの騎馬像』の背景によく似ていることがわかる。『グイドリッチョ・ダ・フォリアーの騎馬像』は、シエナによるモンテマッシ侵略が完了した際に、その記念として描かれた壁画である。この絵には1328年(侵略が行われた年)という日付が記されているのだが、よくよく調査すると、マルティーニ以外の画家がこの作品に加筆を行った形跡が残されており、この作品が誰によって描かれたかについては未だに確定しておらず、議論されている。
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