作品概要
《グアリーノの聖母》は、画家のドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャによって制作された作品。制作年は1280年から1284年で、サバウダ美術館に所蔵されている。

『グアリーノの聖母』は、中世後期のイタリア人画家ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ作とされるテンペラ画である。現在は北イタリアの街、トリノのサバウダ美術館により所蔵されている。
本作がどのような経緯で製作されたのかは不明であるが、1910年にフィレンツェのアンティーク市にて出品されているのを発見されたのが最初である。ただしこのとき絵は本来の状態にはなく、どうやら16世紀に上塗りされていたようであった。しかし1920年には、この上塗りが剥がされ、元の絵へと修復された。
この絵は1925年にトリノの事業家及び美術収集家であるカルド・グアリーノの手へと渡り、その後、1930年にトリノのサバウダ美術館へ寄贈された。1933年から1959年まではロンドンに置かれたが、その後またトリノへと戻ってきた。
本作は作者によるサインがされておらず、長い間フィレンツェ派のチマブーエ作品であろうという声が多かった。しかし現在では、シエナ派のドゥッチョ作(もしくはその弟子)であると広く認められている。これは1280年代から1300年にかけて、チマブーエとドゥッチョの作風がかなり似たものとなり、2人の作品を見分けるのが非常に難しくなったことによる。
しかし今日では、若かりしドゥッチョがチマブーエの影響を色濃く受けて描いた作品であるとされている。また本作は、同じくドゥッチョ作『ルチェライの聖母』(1285年)との共通点が多く見られる。
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