作品概要
《現代ローマ》は、画家のウィリアム・ターナーによって制作された作品。制作年は1839年から1839年で、J・ポール・ゲティー美術館に所蔵されている。

ウィリアム・ターナーによる作品の中で、最後にローマを描いた作品であるとされている。本作品は1839年に発表された油彩である。
なお、古代ローマの情景を描いた「古代ローマ」と題される作品も存在するが、その作品は1838年までの間に描かれたと考えられている。この「現代ローマ」は、1878年から第5代ローズベリー伯爵とその家族のプライベート・コレクションとなっていたが、2010年の7月7日にオークションに出され、アメリカ、ロサンゼルスにある、Jポール・ゲッティ美術館に購入された。
本作は、古代ローマの遺跡であり、観光地として有名であるフォロ・ロマーノの景色を描いたものであり、町全体が柔らかな光に包まれている。この作品の元となったスケッチは、ターナーのキャリアの絶頂期に2度この地を訪れた際に描いたものである。
特徴として、前景には現代ローマの生活が描かれているが、その向こうにあるローマ市街は古典的な、かつてのローマの様子であると思われる。本作品は、最初ターナーの友人でパトロンであったハーグ・ムンローにロイヤル・アカデミーの展示会後の1839年に購入されている。
その後、冒頭で紹介したように第5代ローズベリー伯爵およびその妻によって購入された。彼らはハネムーンでこの画を購入したと言われている。2010年にサザビーから本作品がオークションに出ると発表があったのち、本作品はサザビーニューヨークにおいて約半月展示が行われた後、オークションが開催されるロンドンに舞い戻った。
サザビーのオークションでの煽り文句は、「間違いなく、ターナーの最も重要な作品の中で初めてオークションに出品された作品である」としていた。最終的に、本作はスコットランド国立美術館に収蔵されることとなった。
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