作品概要
《国会議事堂の火事》は、画家のウィリアム・ターナーによって制作された作品。制作年は1834年から1835年で、フィラデルフィア芸術博物館に所蔵されている。

よる油絵は、2枚の絵から構成されている。この画に描かれた火事は、1934年の10月16日の夕方に起こったものであり、ターナー自身もこの火事を河の南対岸から目撃した。ターナーはすぐに2つのスケッチブックに鉛筆と水彩絵の具の2種類の画材で、2つの異なる角度から、この火事の様子をスケッチした。
一方は、急きょ借りたボートの上から行われたスケッチであったと伝えられている。この2枚のスケッチは、ターナーによってナショナル・ギャラリーに遺贈されており、現在はテート・ギャラリーに収蔵されている。
「国会議事堂の火事」は、1834年の後半から、1835年にかけて描かれた、縦92.1㎝、横123.2㎝の油彩であり、ターナーはこの2枚の作品が公開される展示会の直前まで、推敲に推敲を重ねていたといわれる。1835年の2月にブリティッシュ・インスティチューションで最初の1枚が公開されたが、それはウエストミンスター橋の上流から火事をとらえた画であった。橋の反対側にある家々にまで、金色の火の粉が飛んでいる様子が見て取れる。
また、水面は火を移して真っ赤になり、手前には野次馬が多数立ち止まってその様子を眺めている。2枚目の作品は、ロイヤル・アカデミーの夏の展覧会で披露された。1835年の後半のことである。これもまた、同様の場面を描いたものであったが、どちらかといえば下流側から描かれたもので、ウォータールー橋の方向から描かれたものである。茶色の煙が河の両岸を多い、その様子を船上から眺める人々が手前に描かれている。
1枚目の作品は1928年にフィラデルフィア芸術博物館に、2枚目の作品は1942年にクリーブランド美術館に、それぞれ収蔵された。
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