作品概要
《ドルトまたはドルトレヒト》は、画家のウィリアム・ターナーによって制作された作品。制作年は1818年から1818年で、エール大学英国美術館(ポール・メロン夫妻コレクション)に所蔵されている。

ウィリアム・ターナーによる、「ドルトまたはドルトレヒト:停泊したロッテルダムからの出発を待つ郵便船(または、風を待つ郵便船)」は1818年に発表された油彩で、1817年の9月半ばに彼自身がスケッチした風景を元に描かれた。
この絵は、ドルトレヒトの港の風景を移しており、ターナーによるドイツの港の風景を描いた最初の作品であると言われる。
本作品は、ロイヤル・アカデミーで発表されるやいなや、アカデミー内で高い評価を受けたことはもちろん、新聞・モーニング・クロニクルにて「これまで発表された絵画作品の中で、最も素晴らしい作品であり、時代の宝である。」と評された。
1832年にはジョン・コンスターブルがこのように書いている。「私はターナーの初期の作品のほとんどを記憶していると自負しているが、それらの中で最も美しい作品は、運河に沢山の船が浮かんで、幾千もの美しい形をした船(やそのほかの構造、風景)が描かれた作品である。私は、その作品は、自分が見た中で最も美しく、最も完成された作品だと思っている。」
こうした評価は、緻密な船の描写に加え、ターナーが得意とした空の描写や水面の描写の美しさに由来するだろう。この作品は、ウォールター・フォルクスによって購入された。購入動機は、息子にねだられたことで、500ギニー金貨の値段が付いたと言われている。
さらにその後、画がかけられていた部屋がポール・メロン夫妻に購入されたのが1966年である。その後、本作品はイェール大学の英国美術品センターに飾られることとなった。
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