作品概要

小川を渡る》は、画家のウィリアム・ターナーによって描かれた作品。制作年は1815年から1815年で、テート・ギャラリーに所蔵されている。

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ウィリアム・ターナーは1811年と1813年にイギリス南西部にあるデヴォン州を訪れているが、本作はデヴォンにおける画家のスケッチ、風景画研究の集大成ともいえる作品である。本作は油彩による作品ではあるが、水面の表現や遠景の大気の表現に水彩画の技法が取り入れられている。

しかしながら、本作品は単に緻密に、陽光を浴びた水辺の風景を描いた作品というわけではない。ターナーは17世紀・ローマで活動した風景画家、クロード・ロランによる古典風景画の影響を受けていたため、実際の風景を単に写実的に描くというよりは、よりモニュメント的な、そして、自己意識の中の風景を投影した芸術的な風景をとしてデヴォンの様子を描いた。

とはいえ、画に描かれた風景がどこであるかははっきりと知ることができ、それはタマル渓谷である。発表は1815年であり、同時期にロイヤル・アカデミーの展示会に出展した「カルタゴを建設するディドー」と共に高い評価を受けている。両側の木々は暗い色彩で描かれ、画面中央に向け傾斜している。

1790年代、彼がロイヤル・アカデミーを卒業してその教授職に就いてしばらくの間描いたような、画面の中央に主題を置く技法は、ここでは影を潜めている。そして、明るい色彩で描かれた遠景という一見のどかなだけの情景は、初期の歴史風景画に見られるドラマティックな描写に比べると、いささか退屈にすら感じるかもしれない。

こうした画面構成やテーマ選択は、ロランによる影響が大きいと考えられるが、「カルタゴを建設するディドー」で見られたのと同じく、かすんだ遠景に見られる空気の層の揺らぎや輪郭線をぼかした描写技法は、後年に画家が確立した技法と共通する。

基本情報・編集情報

  • 画家ウィリアム・ターナー
  • 作品名小川を渡る
  • 制作年1815年-1815年
  • 製作国イギリス
  • 所蔵テート・ギャラリー (イギリス)
  • 種類油絵
  • 高さ193cm
  • 横幅165cm
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