作品概要
《頭のかたちをした花瓶と日本の版画のある静物》は、画家のポール・ゴーギャンによって制作された作品。制作年は1889年から1889年で、テヘラン現代美術館に所蔵されている。

『頭のかたちをした花瓶と日本の版画のある静物』はフランスの画家ポール・ゴーギャンが1899年にて作成した静物画の油絵作品である。現在、この作品はイランのテヘランにあるテヘラン現代美術館にて所蔵されている。
かつて、アメリカワシントンDCにあるナショナル・ギャラリー・オブ・アートとロンドンにあるテート・モダンがこの作品をテヘラン現代美術館から借りようとしたが、その要求は拒否されてしまった。
作者の嗜好
1888年から1889年の間、ゴーギャンは日本の伝統芸術である浮世絵版画に夢中であった。『頭のかたちをした花瓶と日本の版画のある静物』にも歌舞伎演者を描いた浮世絵が背景にて描かれている 。
また、ほぼ同時期に描かれたゴーギャンの創作したもう一枚の作品、 『シェフネッケル家』にも同じく浮世絵が背景にて描かれていた。
所有者の変遷
この作品はヨーゼフ・ローゼンザフトという名のホロコースト生存者が生前に所有していた。しかし、ローゼンザフトは1975年の9月に亡くなり、彼が残した稀代のアートコレクションの数々は生前に作った借金を返済するために様々な人に売りさばかれた。
1976年にサザビーズが開催したオークションで、『頭のかたちをした花瓶と日本の版画のある静物』は現在の所蔵先となるテヘラン現代美術館に落札され、美術館の手に渡った。その際に付いた値段は「日本版画が書かれてある静物画」というジャンルの最高取引額を記録した140万ドルである。
現在の価値
現在、この作品の価値は更に上がっており、およそ4500万ドルの値段が付くと言われている。この作品はテヘラン現代美術館が所有する最も古い絵画作品の一つでもあり、今もその美術館で展示されている。
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