作品概要

田園風景のなかの果物》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって制作された作品。制作年は1943年から1943年で、個人蔵に所蔵されている。

詳細な画像を見る

1920年代の絵画探求がおおむね独創的で張りのある作品を生んだのに比べ、1930~40年代の古典研究の成果には教科書にのめり込みすぎた感のあるものが多い。そのうえ、キリコは10年代の厳格な形而上様式の作品を自分の手で次々とコピーしていた為か、本当にこれがキリコなのか、と人々が戸惑う場面も少なくなかった。

しかしこの画家の厄介な所はそういった時期でさえ否定しがたい美しい作品を生んでいる所である。例えば、1948年に描かれた“ニンフの朝”は様式的には完全に過去の巨匠にならった習作でありながら、その軽快で的確な筆さばきや、硬質でやわらかな輝きを与えているマティエールは息をのむほど美しい。自作品のコピーを沢山描いてオリジナリティーという目盛りを狂わせてしまったキリコはこの年代の作品でも独自のオリジナリティーと作品の質との間の関係を不安に陥れているかのようだ。

果物を広々とした風景の中で描いたこの作品は1940年代のキリコとしては最も成功した例に数えられる。もともとキリコの絵は中景を省いて前景と遠景を直結する表現を得意としていた。その為、静物と風景の組み合わせ自体はそんなに困難ではなかった。

1923年に描かれたの“静物”はを窓枠とカーテンで設定した舞台を前景とし、遠景との間の空間を沈めていた。しかし田園風景のなかの果物では、そのような形而上的な空間の断絶はない。むしろバロック絵画から学んだ連続する空間がありそれでいながら全体として捉えがたい謎の雰囲気を醸しているのである。一種のデペイズマンのようだが、キリコは獄中のクーベルが目の前のりんごと想像上のふるさとの自然を一体化させて描いた1871年の静物に触発されたのだといわれている。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名田園風景のなかの果物
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1943年 - 1943年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵個人蔵 (N/A)
  • 種類油彩
  • 高さ40cm
  • 横幅50cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • 田園風景のなかの果物の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。