作品概要

無言の彫像》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって制作された作品。制作年は1913年から1913年で、ノルトライン=ヴェストファーレン美術館に所蔵されている。

詳細な画像を見る

1913年頃の1連の“イタリア広場”に登場する最もキリコ的な道具立ては、煙突、アーケード、汽車ないし帆船のシルエット、はためく小旗、彫像、影などである。クレタ島のミノス王の娘アリアドネーは、ふつう、王宮の奥深くに棲む怪物ミノタウロスの退治にやってきたアッティカの英雄テセウスに糸玉を与え、英雄と一緒に迷宮から脱出しおおせた知恵の女として知られているが、キリコのアリアドネーはむしろテセウスい捨てられてナクソス島で眠り続けるうちにディオニュソス神に見出されたとされる王女の方だろう。

つまり予見的な影の差す広場で眠り続けるアリアドネーとはニーチェが若きギリシア精神の体現者をして称えたディオニュソスの出現の気配を、そしてそれによって死の眠りから蘇生することへの期待を意味しているのである。

眠るアリアドネーにディオニュソス神が顕現する図はローマ時代、ポンペイの壁画でも頻繁に描かれていた。キリコの描くアリアドネー像も、図像学的にはヴァティカン博物館にある有名な古代彫刻をモデルにしており、彼としては珍しくその石膏彫刻まで作っている。

しかし、この主題が1913年(早くても12年末)に現れた背景には、アポリネールが1912年中にかきついで翌年3月に刊行した“キュビスムの画家たち”のなかの1章がヒントとして考えられるかもしれない。

アポリネールは新しい画家たちがユークリッド幾何学の3次元では満足できず、無限の観念と不安を表現する為に、精神に映る第4次元を取り込もうとしていると指摘し、そのような新しい芸術は、ニーチェが“偶像の黄昏”の中でディオニュソスをして“アリアドネーよ、なぜあなたの耳はもっと長くないのか”と問われたとき、既に予見されていたと記したのである。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名無言の彫像
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1913年 - 1913年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵ノルトライン=ヴェストファーレン美術館 (ドイツ)
  • 種類不明
  • 高さ99.5cm
  • 横幅125.5cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • 無言の彫像の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。