作品概要

裸の自画像》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって制作された作品。制作年は1942年から1943年で、ローマ国立近代美術館に所蔵されている。

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暑さとキリコ

ローマの夏は暑い。1945年、ローマを定住の地と定めたキリコは、ローマの暑さについて、『キリコ回想録』でこう記している。「13年以上という歳月をへだてた今日、-すなわち再び回想の筆をとっている私は今もなおローマにいるわけだが。この地の熱気は当時と変わらず、今日もじめじめと蒸し暑く、息もつまらんばかりなのである。」

暑さからのインスピレーション

おそらくキリコは、暑いローマの夏を、この作品に描いたように、裸で過ごすことが多かったに違いない。また「子供の頭脳」の父親も裸であった。ギリシアやイタリアの中でも、もっとも暑い地方で子供時代を過ごしたキリコは、暑さに関してはことのほか敏感でもあった。

暑いがゆえにかえって、滝のようにたたきつける、夕立のあとの洗い浄められた静寂の空や、大地に広がる甘美な冷気と湿ったにおいなどに、至福の喜びを感じることができた。幻想的で憂愁と不安にみちた初期の形而上的絵画の作者にしては、何ともぶざまでぶよぶよと醜い姿を露呈させたのはなぜか。

古典への回帰

キリコはここで「ナルシシスム」と対極にある露悪趣味にも堕しかねぬ、思い切った姿を見せている。「古典的絵画に転向」後のキリコは、一時期持ち前の完璧さを志向する性格から、道徳的にも極端なほど潔癖になっていた。

キリコは、貧しい人たちの姿をみると、自分の胸をはだけて、「さあ、私の胸に思いきりぶつかってきなさい。」と告白している。自分とて、暑い時には暑いという彼らと少しも変わらぬ人間であることをこの作品によって立証している。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名裸の自画像
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1942年 - 1943年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵ローマ国立近代美術館 (イタリア)
  • 種類油彩
  • 高さ62cm
  • 横幅51cm
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