作品概要

宿命の神殿》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって描かれた作品。制作年はN/A年から1914年で、フィラデルフィア美術館に所蔵されている。

詳細な画像を見る

《宿命の神殿》はイタリア人画家ジョルジュ・デ・キリコによる形而上絵画である。

事物の表面

旗のひらめくアーケードの光景を、肖像画風の石膏像のあるプレートと形而上的な幾何学模様の描かれた黒板が遮っている。

黒板は、質量を失った平面的なキリコの絵画をもっとも象徴的に表している。「世界の根源と結びつくような事物より深い意味は、うわずみが沈んで余分なものが純化された事物の表層に凝縮されている」とするキリコの考えを、この黒板は端的に示している。

キリコが事物の表面に重きをおくのは、「完全に静まりかえった大洋の平らな表面が、われわれを不安にさせるのは、われわれと海底との間にある何キロメートルもの距離の観念のためというより、その底に隠されているあらゆる未知のもののゆえ」、または「空間の観念がこのようでなければ、われわれが非常に高いところにいるとき感じる眼のくらむような興奮は一過性のものにすぎないであろう」という一貫した考えにもとづく。

謎めく図像

下部の異形な魚の周囲には、「瞬間の永遠性」「奇妙な事物」「無意味さ」「謎」「生命」の文字が読みとられる。これもまた手袋や矢印と同じく、キリコが生み出した、特有の形而上的な時空を指し示すシンボルだろうと考えられる。

詩人アポリネールは、パリ時代のデ・キリコ兄弟がもっとも信頼した人物であっただけに、はっきりその肖像とわかる作品以外にも、「詩人」とつく題名や、関係のある図像などでたびたびデ・キリコの絵に登場している。この作品もその1つである。

謎めいた落書き風の線描は、当時アポリネールが書きはじめていた一種の書跡詩とも呼ぶべき「カリグラム」を思わせている。

基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名宿命の神殿
  • 制作年N/A年-1914年
  • 製作国フランス
  • 所蔵フィラデルフィア美術館 (フィラデルフィア)
  • 種類油彩
  • 高さ33.3cm
  • 横幅41cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • 宿命の神殿の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。