作品概要

トリノの春》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって制作された作品。制作年は1914年から1914年で、個人蔵に所蔵されている。

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《トリノの春》は1914年に、イタリア人画家ジョルジョ・デ・キリコが制作した形而上的絵画である。

トリノの風景

イタリア・トリノは1911年に、フランス・パリに行く前に数日間滞在した場所で、デ・キリコが描いた多くの形而上絵画に、トリノの古典的建築物やアーケードが用いられている。

北イタリアのトリノは、南イタリアのような、温暖で明るい地中海的なイメージとは違い、薄暗く閑散とし、冷たい印象である。

トリノはデ・キリコが敬愛する、ドイツ人哲学者ニーチェの故郷でもある。トリノのイタリア広場や古典的なアーケードを見て、デ・キリコは形而上的(メタ・フィジカ)な側面があるとひどく心を動かされたという。

構図

本作品《トリノの春》は、題名とは裏腹に、誰もがイメージする、色とりどりの花々が咲き始めるような、誰もが待ち望んでいる「暖かな春」とはまったくかけ離れている。

北に位置するトリノでは春はまだ訪れず、冬の寒さの中、じっとりと暗い。人々が集うイタリア広場には人ひとり描かれていない。

後方にイタリアの古典的なアーケードが鋭い角度で描かれ、手前に急な赤錆びた色の坂、あるいは板の上に、黄色い本と松笠のような物体、そして卵が無造作に置かれている。坂の上に置かれているにもかかわらず、卵は微動だにしない。

技法

焦点の合わない特殊な遠近法を用いており、現実にあるものを描いていてもどこか非現実的で、見ているものを不安にさせる。右側からは姿の見えない長い影が伸びていて、これから起きる悪いことを予感させる。

また左側の白い壁に描かれた、黒い手は下にある何かを指さしており、それが何を意味しているのか、どこへ向かわせようとしているのか考えさせられる。

人物背景

この作品が描かれた1914年は、第一次世界大戦が勃発した年で、デ・キリコは1915年に軍役のため、イタリアに招集される。

この時代に描かれた作品はこの不穏で暗い時代に突入する無力感と不安感を表しているといえよう。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名トリノの春
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1914年 - 1914年
  • 製作国フランス
  • 所蔵個人蔵 (N/A)
  • 種類油彩
  • 高さ99.5cm
  • 横幅124cm
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