作品概要

イザの肖像》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって制作された作品。制作年は1943年から1943年で、個人蔵に所蔵されている。

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《イザの肖像》はイタリア人の画家ジョルジュ・デ・キリコによる肖像画である。

デ・キリコの妻

1930年にデ・キリコは、イザベラ・パクスツヴェーという生涯の伴侶に出会う。

イザベラはポーランド系ロシア人で、キリコに過去の巨匠の技法を調べることを勧めた女性である。キリコの最初の妻はライサ・グリエヴィッチ・クロールといい、古代ギリシャを愛するライサとデ・キリコはよく趣味があい、1925年に結婚したが、結婚生活は短命に終わった。

二番目の妻となるイザベラとデ・キリコは1930年に知り合ったが、二人が結婚を決めたのは1951年である。二人は仲睦まじく、1978年にデ・キリコが心臓麻痺で亡くなるまで、二人の結婚生活は続いた。

イザの存在感

ここに描かれているのはイザベラと知り合ってから12年ほど経った1942年に描かれたイザベラ(愛称・イザ)の肖像である。二人はまだ結婚はしていないが、描かれたイザの視線には画家との信頼感を感じさせる。

左肩越しに振り返ったイザはまっすぐに、こちらの目を見ている。その知的で温かい顔立ちが、柔らかい色白の肌とともに夕焼けの風景に輝いている。左側には白い馬が描かれ、その背後にはギリシャの古代彫刻を思わせる建築の一片が、その向こうには夕焼けに染まりそうな海が見える。

イザは深緑色の布を体にかけ、左肩には何もまとっていない。「形而上絵画」の人気のなさとは正反対に、ここではイザが画面を支配し、その存在感が画家の心に大きな安心感を与えていることを感じさせる。左側にはカーテンのようなものが風に舞っているが、大きさの対比から、そのカーテンがイザの世界を隠してしまう可能性はない。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名イザの肖像
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1943年 - 1943年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵個人蔵 (イタリア)
  • 種類油彩 テンペラ
  • 高さ50cm
  • 横幅39.5cm
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