作品概要

ある一日の謎》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって制作された作品。制作年は1914年から1914年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

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作品の概要

《ある一日の謎》はイタリア人画家ジョルジョ・デ・キリコが1914年に制作した形而上絵画である。

彼は従来のルネッサンスの緻密に計算しされた遠近法を否定し、独自の遠近法を用いて作品を描いた。彼の用いた遠近法は、見るものを混乱させ不安にさせた。

形而上絵画は、このような不気味な遠近法のほかにも、モチーフの独特な配置、空虚感、古典的建築と現代的建築の対比、黄色い光と影のコントラスト、矛盾、といった特徴を持つ。そしてこの特徴は、見る者に謎を投げかける。

作品の特徴

作品には空虚な広場、古典的なアーケード、2本の赤い工業的な煙突、右を向いた一体の彫像、小さな2人組が描かれている。

右に小さく黒い汽車もしくは工場が煙を上げて描かれているが、煙は無風でまっすぐ立ち上ったまま停止している。一方、右上の旗は矛盾して風になびいている。

亡霊的な暗い影はまるでマネキンのように無機質だ。彫像の右側にある大きな箱は固く閉ざされている。実際にある景色というよりも精神的な夢の中の世界を描いているのだろう。

1914年は、第一次世界大戦が勃発した年でもあり、イタリアは過去の古典的な栄光と現代的な不条理の狭間で、文化的な転機期を迎えていた。デ・キリコは古典的なアーケードと現代的な工業的建物やモチーフを用いることで、この転換期を表現した。

シュルレアリストに影響を与える

後に、この作品を見たシュルレアリストたちは、大変に感銘を受けた。彼らは「現実味のない夢のような空間」が描かれた、この作品のとりことなった。

そしてまるで自分たちの使命であるかのように、1920年から33年にかけて、形而上絵画で使用されているオブジェクトの意味、不可解な組み合わせ、空間や配置の謎を解こうとやっきになった。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名ある一日の謎
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1914年 - 1914年
  • 製作国フランス
  • 所蔵ニューヨーク近代美術館 (アメリカ)
  • 種類油彩
  • 高さ185.5cm
  • 横幅139.7cm
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