作品概要

ある秋の午後の謎》は、画家のジョルジュ・デ・キリコによって制作された作品。制作年は1910年から1910年で、個人蔵に所蔵されている。

詳細な画像を見る

《ある秋の午後の謎》は、ジョルジュ・デ・キリコが、1910年に描いた彼の初期の油彩作品である。

この作品で、彼は自身のスタイルを確立したと言われており、彼の画家人生をひもとく上で重要な作品である。

「謎以外になにが愛せようか」と言う言葉を残したほど、不可思議なものに魅かれたデ・キリコ。彼は、この作品で初めて「謎」という言葉をタイトルに入れた。

画家の歴史

デ・キリコは、イタリア人の両親の間にギリシャで生まれた。アテネで美術を学んだ後、父が亡くなり、母と共に引っ越した先のミュンヘンの芸術アカデミーでマックス・クリンガーに師事した。そこで、彼は、ニーチェやショーペンハウアーなどのドイツ哲学に傾倒する。またアーノルド・ベックリンの絵画も熱心に研究した。

1909年夏にデ・キリコはイタリアに渡り、ミラノで半年を過ごす。その後、1910年の初めにフィレンツェに移り、サンタ・クローチェ教会から啓示を受けて「形而上絵画」シリーズの一作目となる本作を描いた。

形而上絵画

「形而上絵画」というのは、実際に目に見えるはずのない現象、景色を描く絵画である。

画面の左右で遠近法の焦点がずれている、人間がいない、もしくは、おぼろげにしか描かれていない、違和感を引き起こす特異な静物がある、時間的に辻褄が合わない、ひどく長い影が描かれている、といった特徴がある。こうした手法によって、見る者は、静謐・謎・困惑・不安・郷愁などの感情を引き起こされる。

この芸術手法は、のちにシュールレアリズムの詩人、アンドレ・ブルトン、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリットらに大きな影響を与えた。

作品の特徴

サンタクローチェ教会のように見える建物にはカーテンがつけられ、その向こうはすぐに海なのか、船のマストが壁のすぐ向こうに迫っている。一説によると、この帆船は子供時代に訪れた、ギリシャのピラエウス港の風景からインスピレーションを受けたのではないかとも言われている。

人気のない広場、古典建築、彫刻、光と影のコントラスト、左に流れる濃い影、消失点のずれが、全体に謎めいた虚無感を漂わせる。まさに、デ・キリコの作風そのものである。

デ・キリコは自身の手記の中で、「この作品で、私はニーチェの著作にある神秘的な感情と、イタリアの街の午後の憂鬱を描こうとした」と述べている。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・デ・キリコ
  • 作品名ある秋の午後の謎
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1910年 - 1910年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵個人蔵 (N/A)
  • 種類油彩
  • 高さ45cm
  • 横幅60cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • ある秋の午後の謎の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。