作品概要
《青騎士》は、画家のワシリー・カンディンスキーによって制作された作品。制作年は1903年から1903年で、個人蔵に所蔵されている。

《青騎士》は、ワシリー・カンディンスキーによる作品である。彼は、抽象絵画の創始者ともいわれており、1903年完成の本作は、1900-1910年の10年の中で最も重要な作品だといえる。
モチーフの騎士の描き方
この絵には、マントをまとった騎士が白馬にまたがり、岩の多い牧草地を勢いよく駆けていく情景が描かれている。騎士のマントは明るい青色で、その影は暗い青色をしている。
前景にははっきりと形を成していない青い影が、そしてそれに対応するように、背景には秋の色づいた木々が描かれている。この作品の青騎士は見る人の目を引くが、輪郭ははっきりしていない。本作において、カンディンスキーは騎士を詳細に描いたのではなく、色の連なりとして描いている。
そして、馬の走り方はどこか不自然である。カンディンスキーは、分かっていて敢えてこう描いたのであろう。
主題の論争
美術史家の中には、この騎士がおそらく子どもを抱きかかえていると主張する意見もあるが、これは一人で馬に乗る騎士の影だとするのが妥当であろう。このように意図的に意見が分かれるようにすることで、見る人も芸術作品の作成に参加することができる仕組みだ。
カンディンスキーは、その後数年間にわたってこのテクニックを多く使うように心がけ、抽象絵画に取り組んだ1911-1914年までこの手法を取り入れた。
この作品は、カンディンスキーがそのほんの数年後に進んでいくことになる方向性を示しているとも言えよう。
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