作品概要

神の子羊》は、画家のフランシスコ・デ・スルバランによって描かれた作品。制作年は1635年から1640年で、プラド美術館に所蔵されている。

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スルバランが1635年から1640年までかけて描いたとされるこの『神の子羊』はスルバラン絵画の特徴がよく示されている1枚である。この時彼に与えられた主題である神の子羊は、ヨハネの黙示録に世界の罪の償うイエスを象徴する存在として描かれている。

また、父なる神への捧げものとしての聖なる存在でもある。このような背景は17世紀当時、スペインで起こっていた対抗宗教改革の時流を汲んでおり、スルバランの精神性をも感じられる。静物画を得意とした彼ならではの作品ともいえるだろう。背景は漆黒という言葉がふさわしい程の闇、そこに羊が、どこからとも判断のつかない光線に当てられている。

このような技法はスルバランの他の絵画にも見られ、非生活的な雰囲気を見るもの与えている。さらに、「神への従順」をその表情が強烈に物語っており、この作品の聖性を高める働きをしている。このように神の子羊を題材にしたものはほかに、初期ネーデルランド絵画のヤン・ファン・エイクの『ヘント(ゲント)の祭壇画』など、多数存在しているがスルバランのように暗闇と明るさの対象を用いて描かれたものはない。

また、羊に焦点を当てると、その細部の精密な描写によって、肉体の柔らかさが表現されている。この柔らかさは、寝かされている石の台の固さの質感と正反対のものであるということが容易に想像でき、羊が象徴する「境遇への従順、無垢で純粋な命、犠牲の喜び」をまさに感じさせる。静けさと深い精神性を兼ね備えた本作は、最も的確に神への従順を示した作品の1つと位置付けられた。

基本情報・編集情報

  • 画家フランシスコ・デ・スルバラン
  • 作品名神の子羊
  • 制作年1635年-1640年
  • 製作国スペイン
  • 所蔵プラド美術館 (スペイン)
  • 種類カンヴァス、油彩
  • 高さ62cm
  • 横幅38cm
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