作品概要

ナザレの家の聖母とキリスト》は、画家のフランシスコ・デ・スルバランによって描かれた作品。制作年は1630年から1630年で、クリーヴランド美術館に所蔵されている。

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この『ナザレの家の聖母とキリスト』はスルバランがセビーリャ派の最先端として登場した頃に描かれた作品である。この作品に描かれたエピソードは、17世紀にカトリック信仰を一般に広める運動の一環として用いられた外典伝説の一つとされているナザレのヨセフとマリアの家での一場面である。

キリストは茨の冠を編んでいて、棘の1本で指を刺したところである。そして、近くで縫物をしていたマリアがそれを眺め、その出来事の中にイエスの受難の苦しみを悲しみのなかで予想し、涙している。スルバランはこの作品において、そうした場面の持つ品位を気付つけないようにと細心の注意を払いながらも、いわゆる世俗化をしようと試みている。

たとえば、聖母マリアは首周りにスカーフを羽織り、中指には指ぬきをしている。マリアとキリストの間には日常的に使われる陶製のボウルや、裁縫用の籠、本や果物がおかれた机があり、生活の雰囲気を出している。しかし白百合とバラ(慣例的に聖母の象徴とされている)をいけた壺や聖家族の清貧を象徴しうる雉鳥(貧者が聖母マリアの奉献もしくはお潔めの祝日に捧げる)などがマリアのそばにあり象徴的な意味を持たせている。

また、構図によっても、この作品が、ただ単に現実を映したものではないということがわかる。この構図は完全に調和がとれているというわけではなく、聖母とキリストは同じ部屋にいながらもそれぞれが自分の世界に埋没しているような印象を受ける。その間に静物がおいてあるというこれらの要素がこのエピソードを現実世界という印象から宗教的で神聖な世界へとみているものを誘うようである。

基本情報・編集情報

  • 画家フランシスコ・デ・スルバラン
  • 作品名ナザレの家の聖母とキリスト
  • 制作年1630年-1630年
  • 製作国スペイン
  • 所蔵クリーヴランド美術館 (アメリカ)
  • 種類カンヴァス、油彩
  • 高さ165cm
  • 横幅230cm
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