作品概要

法学博士の肖像》は、画家のフランシスコ・デ・スルバランによって描かれた作品。制作年は1658年から1660年で、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館に所蔵されている。

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『法学博士の肖像』はスルバランの数少ないいわゆる正式の肖像画の1枚である。この人物が誰かは全く分かっていないが、彼はサラマンカ大学の式服を着ている。非個人的対象としてこの人物を描いているのである。というのも、この男が誰であるかではなく、何であることを告げることを目的とした肖像画であるためである。

つまり、地位の肖像画であり、人格の肖像ではないのである。身体は威厳のある姿勢で、彼の顔は冷淡な目をした無感動な仮面であるように見える。片手は優雅に椅子の背に置かれ、他方の手は手袋を軽くつかんでいる。こうした両手から、長い茶色の下に隠された生まれながらにしての高雅さを推し量ることができる。

また、特筆すべきとして、この作品におけるディエゴ・ベラスケスの影響が最も顕著に現れていることがあげられる。ポーズや無感動な表情といったことだけでなく、16世紀以降にスペインの宮廷画家たちが用いた手から手袋をぶら下げるというモチーフである。技法にも類似性があり、肉付けは柔らかく、絵具の塗りは柔らかさを増している。手の指先が空気に溶け込んでいきそうな描写なども、ハッキリとしたベラスケス様式の模倣と考えられる。

この絵によって、スルバランが1634年および1658年以降のマドリード滞在中にベラスケスの肖像画を研究する機会を持ったということが証明されている。彼が晩年まで、特に透明な陰影の使用など、スルベランの様式を発展させ最終段階に合致していく過程がこの作品で示されているのだ。

基本情報・編集情報

  • 画家フランシスコ・デ・スルバラン
  • 作品名法学博士の肖像
  • 制作年1658年-1660年
  • 製作国スペイン
  • 所蔵イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館 (アメリカ)
  • 種類カンヴァス、油彩
  • 高さ194cm
  • 横幅103cm
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