作品概要
《自画像》は、画家のアンソニー・ヴァン・ダイクによって制作された作品。制作年は1613年から1614年で、ウィーン美術アカデミーに所蔵されている。

《自画像》は、ベルギーの画家アンソニー・ヴァン・ダイクが1613?14年に描いたフランドル・バロック絵画である。現在ウィーン美術アカデミーに所蔵される。
この作品を制作した時、ヴァン・ダイクは若干14?15歳であり、早くから画家としての才能を開花させていたことがうかがえる。この作品はあどけなさが残りながらも、凛としてどこか自信に溢れているような眼差しで、こちらを見ている。この作品以後も幾度も自身の肖像画を描いている。
ヴァン・ダイクは優美で力強い肖像画を描くのが特徴的で、特に英国の美術史において多大な影響を与えた画家として知られている。1599年生まれのヴァン・ダイクは1609年までアントワープの画家ヘンドリック・ファン・バレンから絵画を学んだ。1615年頃には既に画家として独立し、自身よりさらに若い友人ヤン・ブリューゲルと共に工房を設立した。
ヴァン・ダイクはアントワープの画家のギルド・セント・ルカ組合への入会を許され、また1618年2月までに独立したマスターとして認められている。その数年以内に、アントワープのみならず北欧の巨匠である、ピーテル・パウル・ルーベンスのチーフアシスタントに任命された。以後、ルーベンスがヴァン・ダイクに与えた影響ははかりしれない。
そしてルーベンスもまた、この時若干19歳であったヴァン・ダイクを「私の最高の弟子」として称えた。ルーベンスは特に17世紀の視覚的文化に多大なる影響を与え、アントワープをヨーロッパの主要なアート都市としてその名を広めることに貢献した。
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