作品概要
《音楽 1》は、画家のグスタフ・クリムトによって制作された作品。制作年は1895年から1895年で、イノエピテコークに所蔵されている。

作品の成り立ち
《音楽1》は、クリムトのパトロンである、オーストリアの実業家、ニコラス ドゥンバ の要望により、1895年に描かれた。ドゥンバは、ヴィエナにある豪邸の2部屋の絵画をクリムトに要望し、《音楽1》はデッサンの段階から、音楽室のドアに飾る為に描かれたと言われている。
1937年にドゥンバの妻が亡くなった後、豪邸の売却に伴って絵画も売りに出された。
作風
クリムトは音楽を寓話的に表現した作品を数多く描いており、クリムトの初期の作品である《音楽1》はその最初に描かれた作品である。
作品は、当時の印象派を思い起こさせる作風の中に、クリムト独特の「隠喩的表現」が混ぜ合わされおり、現在クリムト作品の特徴として挙げられる、装飾的要素や鮮烈な色使いが見え隠れする。
作品の構図
作品には、古代から音楽の象徴とされる竪琴(リラ)が目を引く色彩で描かれており、黒いドレスの女が首を垂れてそのリラを一心に弾いている。
右側には、スフィンクスの彫像が印象的に描かれており、スフィンクスは「時代には芸術を。芸術には自由を。」と唱えたウイーン分離派であるクリムトの、芸術の自由の象徴であるといわれている。
左端に描かれたセテュロス(射手)のマスクは、クリムトが多くの作品の中で秘められた力を表すシンボルとして描いたといわれており、中央に描かれたライオンの牙は、芸術の新生を象徴したといわれている。
所蔵
現在作品は、ドイツのミュンヘンにあるノイエピナコテーク美術館に保存されている。
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