作品概要
《聖ヨハネの生涯:ドルジアーナの蘇生》は、画家のジョット・ディ・ボンドーネによって制作された作品。制作年は1327年から1328年で、ペルッチ礼拝堂に所蔵されている。

イタリアのサンタ・クローチェ聖堂は、礼拝と保護の場所として、フィレンツェ市民の人気の場所、さらに誉れある偉大なフィレンツェ人を埋葬・追悼する場所となった。バルディ家やペルッツィ家といった有力な家は、自分たちの礼拝堂を所有していた。
《聖ヨハネの生涯》はペルッツィ家の礼拝堂に描かれた作品群で、聖礼者ヨハネの生涯と福音書書記者ヨハネ伝が左右両壁に縦3面づつ描かれている。
聖ヨハネの生涯を描いた作品群の一つ「ドルジアーナの蘇生」は一連の作品の一部で最も雄大なスケールで描かれている。壁画はエフェソスの町の城壁外でパトモス島から解放されたヨハネがエフェソスに帰り着いた時亡くなった信心深きドルジアーナを死から蘇らせる場面を描いている。ここでは背景の建物と前景の多数の人物が資格的にきわめて自然な対応を示している。中央の白衣のドルジアーナを軸とする二つの群像の対比は背後の城門との対比に受け継がている。
人物のさまざまな量体の組み合わせとその上に流れる光の変化、色調のグラデーションが様々な凹凸を作って伸びる建物の光や色調の変化と対応している。ここに取り上げた細部は、聖ヨハネに一番近く膝まづいている二人の横顔だが、奇跡を目の当たりにして畏怖と驚嘆の念を顔に表している。伸びた手は聖人の服に伸びており、そこで新たに聖ヨハネが生きている事、奇跡が事実で有る事を再認識しているようだ。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。