作品概要
《父と決別する聖フランチェスコ》は、画家のジョット・ディ・ボンドーネによって制作された作品。制作年は1296年から1299年で、サンフランチェスコ教会に所蔵されている。

バルディ礼拝堂をを入ると左右両壁に3面づつ聖人伝が横に並んでいる。物語の順序に従って上段から交互に述べていくと「父と決別する聖フランチェスコ」がある。アッシジと違って、画面が半円形であるため、大きな建物を中心に斜め向きに置く集中的構図をとられており、また、聖人をその稜角線上に配置することによって、見る人の目を彼の上に集めるように工夫がされている。
注目すべき事に建物が単なる背景であるに留まらず聖人を布で覆う市況をその上に載せることによって、主題を表す人物と交差的に結合している所である。天を仰いでいる聖人と激昂する父親との対比的ポーズに対し左の群衆はすべて足をみせていること、両側の母と子のポーズの対比、そして色彩的にも司教の衣服の青と父親の黄色い服、青空の寒色と建物の薔薇色の暖色の対比というように、すべてが対比的に構成されている。
しかもそれが聖人を中心に厳しい統一を得ている点に、アッシジにおける市井の親子喧嘩的描写を超えた表現を超えた感じを受ける。
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