作品概要
《五尋の深み》は、画家のジャクソン・ポロックによって制作された作品。制作年は1947年から1947年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

「五尋の深み」は代表的な作品であり、1947年に制作された。ポロック独自の技法である「ポーリング」(塗料を注ぎ掛けながら線を描く技法)や「ドリッピング」(塗料を撒き散らして滴らせる技法)が特徴的な作品である。
作品の下層は輪郭線のない十字模様と平面図形にて隙間なく構成され、複雑に入り組んだ蜘蛛の巣状になっている。上層には、黒色と光沢のある銀色の塗料が線状に塗り重ねられている。十字模様や平面図形など下層の塗料が乾燥して固くなった部分では、絵筆やパレットナイフを用いて塗りつけていると思われる。
黒色と銀色の線状の滴りは、床に置いたキャンバスに木材用塗料を直接注ぎ掛けながら描かれている。?また、ポロックは、釘、びょう、ボタン、鍵、硬貨、タバコ、マッチなどの物質を細かく砕いてキャンバス上に置き、塗料と融合しながら制作した。
物質は、全て構成を決めたうえでキャンバス上に置かれたといわれる。塗料の物質感により、作品には深さが生まれ、ポロックが作品に対して抱くイメージを誇張している。?
作品名は、イングランドの劇作家ウィリアム・シェークスピアのロマンス劇「テンペスト」第1幕第2場のセリフ、「Full fathom five thy father lies/Ofhis bones are coral made/Those are pearls that were his eyes(水底深く父は眠る/その骨は今は白珊瑚/かつての二つの目は真珠)」を引用したと考えられる。??
現在、「五尋の深み」はニューヨーク近代美術館(アメリカ・ニューヨーク州)にて展示されている。
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