作品概要
《ギスベルト・クラエズ・ファン・キャンペン一家の肖像画》は、画家のフランス・ハルスによって制作された作品。制作年は1624年から1624年で、左側:トレド美術館/右側:ビルギー王立美術館に所蔵されている。

ギスベルト・クラエズ・ファン・キャンペンはオランダハールレムの生地商人であった。その一家の肖像画は現在では二つの絵に切り離され、左半分はトレドの美術館へ、そして右半分がベルギー王立美術館所蔵となっている。
ギスベルト・クラエズ・ファン・キャンペンはライデンに生まれるが、家族と共にハールレムに移り住み、生地商人となり、後1614年には商人組合の長老になった。彼は1604年に結婚してチャーチストリートの、「ベイカー(Bontekoe)」として知られる事となるとても大きな家に住んだ。
作品にはギスベルト・クラエズ本人と妻、そして7人の娘と3人の息子合わせて10人の子供達が描かれている。恐らくこの作品は結婚20年記念に、1624年に描かれた物と思われる。
長男のピーターは父の後ろに立っている。次男は右端のヤギをつないだ荷馬車の横に描かれているが、若くして亡くなった。もう一人の息子は母親が優しく左頬を触っている姿で描かれている。作品は後に娘のアニエスが相続したが、アニエスが亡くなった1666年の後、絵画が元々飾られた家から持ち出され、新しい所持者の家には大き過ぎたので二枚の絵画として切り離されたと言われまた、左半分には小さな女の子が後に加筆されている。
この作品の注目すべき点は、これがハルスの初期の家族の肖像画という点と、家族の日常的な野外での様子を描いた事であり、後にこの「日常的な一コマ」を描く手法が後に一般的になった。この作品が描かれた頃、ハルスは画家として頂点の時期を迎えていた。
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