作品概要
《ハールレムの聖ゲオルギウス市民隊幹部の宴会》は、画家のフランス・ハルスによって制作された作品。制作年は1627年から1627年で、フランスハルス美術館に所蔵されている。

当時のオランダはスペインとの戦争の結果独立し共和国が成立した。スペイン国王に雇われた軍隊から国を守る為にオランダの市民達は町ごとに民兵隊を組織した。この地域的な防衛組織は17世紀になっても存続していた。
ハルスは民兵のグループが楽しく騒いでいる様子を絵に描いた。このように多数の人物を生き生きとまとめて見せることは容易なことではない。まず、集団の配置を考えなければならない。ハルスは、細長いテーブルをはさんで人々を2列に並べて表す、というそれまでの描き方とは異なった構成を考え出した。彼は大きな集団を二つの小集団に分け、その二つを結び付けてバランスをとったのだ。描かれているのは楽しい集会である。それ故に構図の基本を動きの有るものとし、人物の姿勢や襟飾りのリズムを繰り返している。
衣服と襟飾りの黒と白、飾り帯と旗のオレンジと青が主要な色彩で、限られた数の色で多様性を生み出している。部屋の一隅には日が差し込み、陰の部分さえも輝いているかのようである。このため絵全体の色調が明るくなっている。一人一人がハルスに同じだけの金額を支払ったが故に、各モデルを同じ様にはっきりと描かなくてはならなかった。
彼らのバラ色の顔は健康そうで、生き生きとした目はどれも輝きに満ちている。他にも1616年に同じく「ハールレムの聖ゲオルギウス市民隊幹部の宴会」そして1639年には「ハールレムの聖ゲオルギウス市民隊幹部」を制作している。
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