作品概要
《頭蓋骨を持つ若者》は、画家のフランス・ハルスによって制作された作品。制作年は1626年から1628年で、ナショナルギャラリー、ロンドンに所蔵されている。

「頭蓋骨を持つ若者」は羽ボンネットを被った若い男が右手を広げ、頭蓋骨を左手で持って描かれたものである。ボサボサの髪をしており、長い羽飾りのついた赤い帽子を被っている。大きなマントに身を包み、わずかに白い襟と袖の開きが見えている。背景は明るい灰色に塗られている。ほぼ等身大。1895年にダブリン国立美術館に出展された。ハルスはこれと同じ様な絵を制作しているが、その右手は頭蓋骨に乗せてあり、のちに加筆され消されている。
イギリスのナショナル・ギャラリーは、「少年が持っている頭蓋骨は人生のはかなさと死の確実性を意味している」と説明している。この絵の主題は「ヴァニタス」(ラテン語で「虚栄心」)として知られている。オランダには、頭蓋骨と少年像を描く伝統があり、16世紀初頭の彫刻までさかのぼることができる。
ハルスが描いた、頭蓋骨をもちマントを身にまとった絵画は他に4点類似した物が現存する。1つは、ハルス作「羽つきの帽子を被った少年(頭蓋骨は描かれていない)」、マイケル・スウィーツ作「自画像(頭蓋骨は描かれていない)」、ヤン・ミエン=スモレナー作「自画像」、そしてヤンリー・ヴェンスの「年寄りと頭蓋骨」である。
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