作品概要
《ペルピニャン駅》は、画家のサルバドール・ダリによって制作された作品。制作年は1965年から1965年で、ルードヴィヒ美術館(ケルン)に所蔵されている。

1965年制作の『ペルピニャン駅』の正式名称は『”ポップ、オップ、月並派、大いに結構”と題する作品の上に、反重力状態でいるダリを眺めるガラ、その画面には冬眠の隔世遺伝の状態にあるミレーの晩鐘の悩ましげな二人の人物が認められ、前方にひろがる空は、全宇宙の集中するペルピニャン駅のまさに中心で、突如としてマルトの巨大な十字架に変形するはずである。』
世界一長い絵画のタイトルとされているが、通常画集や目録などでは単に『ペルピニャン駅』とだけ紹介されている。
1963年ダリはペルピニャン駅で「宇宙の起源にふれるような恍惚感とともに宇宙の成り立ちについてはっきりと強烈なビジョンを得」て、ここを「宇宙の中心である」と宣言するほど特別に重要な地であるとみなしていた。
絵画の舞台となるのはペルピニャン駅であるが、ダリはシュルレアリスム的に固有の意味を持つ要素をいくつも付け加えている。どこからともなく現れた蒸気機関車、十字架にかけられたキリストの暗示。イバラの冠を被ったキリストの犠牲、血を流している傷口は地面に突き刺さった熊手と結びついている。手を広げ浮遊した状態で同じ軸上に配された2人の人間はダリであると言われている。
対称な軸を組み合わせた構図の中に効果的に光を描写するよう配色されている。大地や自然光の色であるダークブラウンやイエローが使われ、ふたつの色が織りなす様々な勾配が絵画全体に用いられている。
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