作品概要

炸裂したラファエル風の頭部》は、画家のサルバドール・ダリによって描かれた作品。制作年は1951年から1951年で、スコットランド国立現代美術館に所蔵されている。

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『炸裂したラファエル風の頭部』は1951年に制作された。1945年広島・長崎への原子爆弾投下に衝撃を受けたダリは、頭部や人体などの形態を断片化した作品を数多く残している。画面上部に広がる茶色の雲や薄い光輪は、原子爆弾の爆発で生じたきのこ雲の様子を撮影した写真を想起させる。

柔らかい表情をたたえた女性の姿はラファエロが描く聖母を連想させる。ダリはルネサンスの巨匠、特にダ・ヴィンチやラファエロを敬愛し、彼らの作品から自分の作品へのインスピレーションを受けたり、直接的な題材やモチーフとして使用しているからだ。聖母の断片化した頭部の中は吹き抜けになっており、ラファエロが眠るローマのパンテオンの内部が描かれている。ダリは古典的なアイコンが持つバランスや合理性を提示することによって歴史的な秩序が核兵器の出現によって崩壊することを、対象を断片化することで表現した。

粉々になった頭部というモチーフは第二次世界大戦後のアーティストたちが頻繁に用いている。それは広島・長崎への原子爆弾投下によって今後の核戦争の可能性がにわかに現実味を帯び、混乱した時代の空気を反映しているといえるだろう。

画面には描かれていないが聖母の母性に満ちた表情が見下ろす先には幼子が抱かれているとする解釈もある。聖母の頭部の中心には穴が開いており、光が差し込んている。聖母が目撃した人類の破滅と再生への祈りが表現されているのではないだろうか。

基本情報・編集情報

  • 画家サルバドール・ダリ
  • 作品名炸裂したラファエル風の頭部
  • 制作年1951年-1951年
  • 製作国不明
  • 所蔵スコットランド国立現代美術館
  • 種類キャンパスに油彩
  • 高さ33cm
  • 横幅43cm
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