作品概要
《セレの風景》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1911年から1911年で、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館に所蔵されている。

「セレの風景」は分析的キュビズムの時代の作品であり、1911年夏にフランス・ピレネー山脈の麓セレにて制作された。
同時期には、「アコーディオン弾き」「詩人」も制作されている。分析的キュビズムでは対象を断片的に分解し、三次元から二次元へと再構築する為、抽象的な作風となっている。作品は、落ち着いたアースカラー(褐色、青色、緑色など)の直角三角形、半円形、直角を成す図形にて構築されている。ピカソは、様々な視点から風景を捉えて分解した。断片を継ぎ合わせると、回路図のような階段、アーチ形窓が描かれていると解釈できる。
また、作品は、直角三角形、半円形、直角を成す図形により構成されている。「アコーディオン弾き」も非常に似た構成である為、一時期は「セレの風景」にインスピレーションを受けた風景画であると考えられていた。
キュビズムの作品において、ピカソは、形や対象を完全には描写していない。ピカソのキュビズムにおける表現は現実性を残しつつ、肖像画や静物画の要素が加えられている為、捉えどころがなく、解釈が困難であるといわれる。現在、「セレの風景」は、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(アメリカ・ニューヨーク州)にて展示されている。
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