作品概要
《ベツレヘムの人口調査》は、画家のピーデル・ブリューゲルによって制作された作品。制作年は1566年から1566年で、ベルギー王立美術館に所蔵されている。

「ベツレヘムの人口調査」は1566年に制作された。作品は、新約聖書「ルカによる福音書 第2章1?5節」の皇帝アウグストゥスによる人口調査勅令に、16世紀当時のネーデルランド農村を舞台にローマ皇帝カール5世が行った政治的出来事を加えて描かれている。
「ルカによる福音書」はイエス・キリストの言行を語る一書であり、『そのころ、皇帝アウグストゥスから、全世界の人口調査をせよと勅令が出た。人々はみな、住民登録をする為に、各々の故郷へと帰って行った。それゆえ、ダビデの末裔であるヨセフもガリラヤのナザレを出て、ベツレヘムと呼ばれるユダヤのダビデへと上って行った。身重になっていた許嫁の妻マリヤと共に、登録をする為であった。』と語られている。
キャンバス右下には、ロバに乗ったマリヤとロバをひくヨセフが描かれている。マリヤは聖母マリアの事であり、イエス・キリストを身ごもっている。キャンバス左下には、旅籠の一部にて住民登録の窓口が設けられている。合わせて、家禽による物納も行われている。背景には、雪景色と廃れた城があるが、アムステルダムの塔門が基になっているといわれる。
ブリューゲルは、作品を通して、一般市民のローマ政権に対する批判を表現していると解釈できる。圧制と税金に苦しむ市民の姿を表現しているといわれる。現在、「ベツレヘムの人口調査」はベルギー王立美術館(ベルギー・ブリュッセル)にて展示されている。作品は、1902年、オークションに掛けられた際に、ベルギー王立美術館によって落札された。
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