作品概要
《婚宴の踊り》は、画家のピーデル・ブリューゲルによって制作された作品。制作年は1566年から1566年で、デトロイト美術館に所蔵されている。

主題と構成
「婚宴の踊り」はパネル画(一枚あるいは組み合わされた数枚の木製パネル上に描かれた絵画)であり、1566年に制作された。作品では、農民が婚礼を祝って踊る様子が描かれている。婚礼は木々に囲まれた自然のなかで執り行われている。農民の踊りには、「受胎」や「生殖」を表していると解釈される。
ブリューゲルは、125人の列席者をキャンバス全体に配置し、それぞれに躍動感をもたせている。キャンバス前方には、ルネサンス時代の特色がある衣装を身に纏った踊り子と農民がいる。
画題
キャンバス中央には、黒色のドレスを着た花嫁と花嫁の父親が描かれている。花嫁は年老いた父親と踊っている。ルネサンス時代、婚礼にて花嫁は黒色、花婿はコッドピース(股袋)を身に付けていた。キャンバス右側には、バグパイプ奏者が農民の踊りを見ながら演奏している。その奥には、中流階級と思われる画家が佇んでいる。画家は腰ベルトに絵画用具を下げている。
キャンバス上部には、王冠が飾られたテーブルクロスが張られ、その下に花嫁のテーブルが描かれている。列席者は、テーブルを囲み、食事をしている。一方、テーブルの前では、集金人が深い溝を掘っている。
背景
16世紀、皇帝や教会は踊りを悪魔の業として、厳格な規範を設けていた。人々は、腕や脚を揺れ動かすこと、大声で笑うことを禁じられていた。ブリューゲルは、皇帝や教会に対して、自由気ままな農民層を滑稽に風刺的に描写している。
作品は、当時のデトロイト美術館館長により、1930年にイギリスにて発見された。ブリューゲルは「婚宴の踊り」、「農民の婚宴」(1567)、「農民の踊り」(1569)を三部作として描いていたと考えられている。現在、「婚宴の踊り」はデトロイト美術館(アメリカ・ミシガン州)にて展示されている。
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