作品概要

リンカーンの肖像に変容する地中海を見つめるガラ》は、画家のサルバドール・ダリによって描かれた作品。制作年は1976年から1976年で、ダリ劇場美術館に所蔵されている。

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『リンカーンの肖像に変容する地中海を見つめるガラ』というタイトルはこの絵画のことをよく言い表している。近くに立って鑑賞すると、絵は我々に背中を向けて、地中海に昇る太陽を見つめるガラの姿に見える。

この輝く太陽は、上から見ると、天に昇っていくキリストの像にも見える。このようにガラは我々の注意を空の方へ引き付け、自然の移ろいやすい美を思い出させてくれる。しかし、見る者が20メートルほど後方へ下がると、作品のタイトルが示すように、リンカーンの頭部がキャンパスいっぱいに描かれているように見えるのだ。

ダリはサイエンティフィック・アメリカンの視覚についての記事を読んで、本作を描いたと言われている。その記事は人間の個人に特有の顔を描くのに必要な、最小の色情報について調査したもので、ダリはその記事に触発されて、リンカーンの顔を121の色情報だけを使って描こうと試みたのだ。キャンバスにおいて、彼は視覚の概念を追求しているのである。

また、この二重絵は物事の二重性について考える機会をも与えてくれる。視覚的なテーマに加え、本作は生と死、ダリのスペイン人そしてアメリカ人としてのアイデンティティについても言及している。美しく物思いにふけるガラではあるが、暗殺された大統領や磔にされたキリストのイメージ、マーク・ロスコ(1970年に自殺をした、ダリと同年代の画家)へのオマージュによって生の有限性が示され、ガラの美しさは即座に危ういものとなるのだ。

この作品には、いくつか原形が存在しており、1つ目は窓辺の少女(1952)だ。この絵はダリの妹のアナ・マリアがモデルになっている。また、後ろ向きの女性が窓から地中海を見つめる構図は、自らの純潔の角に犯される若い処女(1949)を示しているのではないかと示唆している。

基本情報・編集情報

  • 画家サルバドール・ダリ
  • 作品名リンカーンの肖像に変容する地中海を見つめるガラ
  • 制作年1976年-1976年
  • 製作国不明
  • 所蔵ダリ劇場美術館
  • 種類キャンバスに油彩
  • 高さ252cm
  • 横幅192cm
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