作品概要
《聖母子(荘厳の母子)》は、画家のチマブーエによって制作された作品。制作年は1280年から1285年で、ボローニャ、サンタマリアディセルビ大聖堂に所蔵されている。

大聖堂に描かれた「聖母子」は以前描かれた作品群に比べて人間味あふれる作品である。原画の作者としては様々な憶測がなされているが、鼻の形からチマブーエの作品とされている。聖母マリアの丸みを帯びた顔は笑顔に近い温和な表情に溢れ、イエスが小さな哲学者としてではなく幼子として無邪気に手足を伸ばし母親への愛情を表している。
背景は金箔で飾られ王座はアッシジの同主題の壁画より華奢なものとなっている。聖母ひとりが大きく描かれ、天使の数も二人に減り、小さな姿で椅子の背もたれにつかまっている。教会の壁画の一部では有るが、当時の作品としてはヒューマニズム溢れた母子像として初めての試みとも言える。聖母の濃紺の服の襞は色彩の濃淡によって立体的に描かれ、服の下に有るであろう膝の状態も表現している。よって来るべきルネッサンスの先駆者とも言われる所以である。
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