作品概要
《荒野の誘惑》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は?年から1410年で、ルーブル美術館に所蔵されている。

今作品では荒野での絶食40日後の3度目のキリストの誘惑のシーンを描いている。
“再度、悪魔が彼をとても高い山の上に連れていき、世界のすべての王宮と、その荘厳さを見せた。そして彼にこう言った。「これらすべてをそなたに与えよう、もしもその手に落ちればそなたは私を崇拝するであろう。」イエスは答えた。「立ち去れ!サタンよ。」そして悪魔は去り、守護天使が彼を迎えに現れ、助けた。”
作品の中央左側には山地の風景の中にキリストの全身像が描かれており、斜め右方向を向いている。その右手は上部を指し示している。悪魔の姿をしたサタンは、こうもりの羽と鉤爪と角を持ち、キリストの前から逃げるような姿で描かれている。キリストの後方には、四人の守護天使が空を飛んでいる。ルーブル美術館が所蔵する、この《荒野の誘惑》はもともとフィレンツェのロレンツォ・メディチ図書館が所蔵するCod.Cor.18のフォリオ118の脚注の細密画として準備されたものであった。
そのページでは、レント(四旬節)シーズンの最初の日曜日を迎えた人々に向けた入祭唱、“彼は私に呼びかけるであろう、そして私はそれに答える”が載せられている。Cod.Cor.18に載せられているあらゆる入祭文と同様だが、その中のひとつとして、フォリオ118rにイニシャルをのせるためのスペースはいまだ空けられたままである。この場合、一巻は三列の音楽の節と文章分の高さ(28cm)と、横幅は約3と8分の1インチ(8cm)に最低でもする予定であった。フォリオの最下部は、最後の文章の下で、少々傾いた角度で突然切られている形である。現在は失われている一片は、5と二分の一インチから6と四分の一インチ(14〜16cm)の高さで、最高でも19と四分の一インチ(49cm)の幅であることから、ルーブル美術館の所蔵されている、4と四分の三インチ×8と8分の5インチ(12×21.9cm)である今作品を載せるには十分なスペースだと言える。
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